タイトル | 「虚舟」事件に新事実判明! |
No | 3148 |
投稿日 | 2006/12/10(Sun) 15:45 |
投稿者 | 空天 |
と、いうタイトルの記事が今月発売の学研の「ムー」1月号に載っておりました。
巻頭の4ページほどの記事なのですがこれが実に面白い。 有名な「兎園小説」などの一次資料になったと思われる「瓦版」の内容が詳しく紹介されています。 「原舎浜」とされていた漂着場所は瓦版では「京舎ヶ浜」となっており、これは「京」の草書体を「原」に読み間違えたせいだろうとのこと。 さらに伊能忠敬作成の鹿島灘付近の地図から現地を推測してみたり。 虚舟事件が1803年で伊能図の東関東部分が完成したのが1804年とこれも興味深い。 短い記事ですがフルカラーで未見の資料写真や瓦版の和訳も載っているし資料的価値は高いと思います。 「蒼夜叉」ファンの方は必見でしょう。
ところで虚舟事件に関しては少々不審に思うことがあります。
どうやらあの事件は当時相当なセンセーションを巻き起こしたようですが、これって幕府にとってはマズイことなのではないでしょうか。 あの事件で常軌を逸しているといえるのは虚舟の形体くらいです。 現代人ならUFOを連想しますが乗員と言葉が通じず風変わりな格好をしているのも「異人ならありうる」と当時の人々なら納得するでしょう。 別に虚舟が空を飛んできたわけでもなく乗員に角や翼が生えていたわけでもない。 ようするにこれは単なる外国人の漂着と受け取られるのが自然です。 しかし「九十九里海岸あたりに外国人が勝手に上陸した」というのは地元の藩や幕府にとっては大変な政治的スキャンダルのはずではないでしょうか。 当時は交易を求める外国人を徹底的に拒んでいた時期だし、下手をすれば外国との密通を疑われ藩の取り潰しなんて事態にもなりかねない。 「浦島太郎が亀に乗って帰還した」とか「大ガマにのった児雷也が出現した」といった話なら、そりゃ笑って済ませるでしょうが「虚舟事件」は妙にリアリティがありすぎるような気がします。 こういう話が流布されるのを権力者が黙って見逃していたのはどうも釈然としません。 あるいはこれは何らかの政治的意図をもってわざと流された話なのかも。 なんとなく「総門谷」冒頭のUFO遭遇事件を思い出してしまうのは私だけでしょうか。
ちょうど春朗たちと時代が重なるし連中が解決してくれないかなあ。
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