その心は

  すったもんだで大きくなる


はい、ここから今年のお話。


を立てよ −第4回奥州市民☆文士劇−




1/29(土)。

雪です。
とはいえ、県境を越えると行く先々の国道はお見事に乾いた状態。
雫石からこれだもんな〜…って

雫石?

どんなルートで行ったんだ?とお思いでせうが
そんなルートで行ったんです(笑)。


道路状態が良好過ぎて(?)あちらこちらと寄り道をしたものですから
結局到着したのは結構よいお時間。
ソッコーでお宿に荷物を預け、会場のささホールに向かいます。




どーでもいいことですがスサノオは
何度聞いても

ららホールと言いそうになります






見知ったスタッフの方<去年は出演してたのにぃ>にご挨拶したり
そのまま拉致られて本番直前の控え室にご挨拶に行ったり、席についてから
やおら振り返って最後尾の音響卓にいるポール牧。さんに手振ったり
<いやホントお世話になりました>
何やかやと作業(笑)しているうちに周りのお客さん達がざわめきだしました。
ん?


槍を持った兵が何人か、アリーナ席をあっちゃこっちゃ歩いています。
何やら話してるな…
ああ、身の上話をしてんだ。


会話の端々に出てくる地名を聞いていると
どうやら皆さん、出羽の生まれらしい。
てことは、清原の兵ですか。
ここは厨川の柵なわけね。
そっかはるばる連れてこられたんだ…
なんて考えているうちに始まった始まった。
戦いが。


何しろ出演者の数が尋常ではありません。
兵だって、安倍と清原と両軍で…何人いたろ?(爆)
少なく見積もっても30人はいたんぢゃなかろーか。
とにかくいっぱい。
いえね、見えないのですよ。兵がいすぎて。
経清と貞任が^^;
これだけの人数ですもの、殺陣の場面は迫力満点でありました。


原作と違ってふたりはふつーに(?)討ち死にします。
ここで登場するのが清丸、後の清衡。
総勢4名(!)いる清衡の、最初の出番でございます。


それから五年後。
武貞(貞衡)の鎮守府将軍就任祝いの特需に沸く人たち。
一般庶民の面白おかしい掛け合いが繰り広げられます。
いきなりドドーンとシリアスな場面で始まっただけに、こうしたコメディーリリーフは
どこか心が和みますが、悲しいかな真正出羽人の私。
江刺言葉(?)がなかなか頭に入ってこない。
前後の脈絡と顔の表情や身振り手振りなどで大体は分かるのですが
細かいとこまで耳が追いつかない。

そっかお国言葉というのは地域によってこうも違うものなのね〜なんて
呑気なこと考えながら眺めていたスサノオは、この後繰り広げられる
歴史絵巻に度肝抜かされることとなります。


いやはやもう…台詞回しの綺麗なことったら。
だってですね、原作中の台詞がまんま使われているのですよ。
あの場面のあんな台詞や、この場面のこんな台詞がテンコ盛りに飛び出してくるわけですよ。
それも所々なんてケチなもんじゃない。
清丸<@二人目>が店で暴れるかなり衝撃的なあの場面からずぅ〜っと続くのです。
これは興奮しますって。

今まで文字でしか見ていなかった言葉を、人の口から声として聞く、という経験をしてみると
高橋先生はもしかして本当にこれらの言葉を聞いてあの大作を著したのではないか…
と錯覚しそうになりました。


そして。
今回の文士劇。
誰がすごかったってあーた。
何といっても結有役の方でございませう♪
もう…カッコええのひと言に尽きます(*^^*)
安倍の女の誇りを胸に抱きつつ、心ならずも清原に再嫁した苦悩が
お見事に表れていました。
清衡を見守る視線は厳しく且つ温かく、危機に際しては文字通りその身を
盾にせんばかりの強さを垣間見せて、言葉では伝えられないほどに
凛々しく美しい結有でありました。
ええもん見せてもらいました〜o(^▽^)o


後で聞いたら、かの「楽庵」を経営なさっているお方だということでしたが…
楽庵なら私も何度か行ったど?



すみません憶えてないです


時間があったら久しぶりに立ち寄ろうかと思ってて果たせなかったのですが
どの道お休みだったのでしたね、きっと。


1/30(日)。

窓の外は白ベースの世界。
ザ・お出かけ日和とでも言うべきだった昨日の天候とは打って変わった
どこから見ても冬っ!な状態です。

寒いな。

チェック・アウトは10時。開演は11時。
ホテルと会場は目と鼻の距離だから問題はない…
というか、近すぎて逆に問題だ(笑)。
なんて言ってても致し方なし。
まずはおんもに出ましょう。

どうやって開演まで過ごそうか…と考えてた割には
あれこれ野暮用片している間にもういい感じの時間と相成りました。


本日はかぶりつきでの拝見。
おかげでその辺うろついてる出羽の兵の表情も手に取るようにわかります。
遠く厨川までやってきて、そんでもって結構な時間待たされて
みんな里心がついたようですなぁ。
「帰りてじゃ〜」

出羽の人間は語尾に「じゃ〜」はつけないんだが…

ま、いっか。


相変わらず結有は素晴らしい♪
二回観劇にしといてホントえがった^^
立居振舞い綺麗だし、貫禄あるし、言うことないっ ^^v

…こんな立派なかーちゃんから
何でまた家衡みたくな甘ちゃんが生まれたんだか…

歴史の謎ですな(笑)。


スサノオの贔屓目を通してみると、
清原三兄弟の中で見た目いっちゃんカッコえがったのは家衡でしたが。
タッパあるし、顔立ちも男前でございます。
片や真衡は、カリスマ性といえば聞こえいいけどその存在感は多分に狂気を含んでるし、
我らが清衡<@三人目>は野生児だし。
ですが、その男ぶりがああいう性格とくっついた日にゃあ…
見てられませんわ、もう。

あのね、家衡。

何でかんでも人のせいにするな。


そんなんで広大な所領どうやって治めるつもりなんだ一体。
ったくプライドばかり高くて中身が全然ついてきてない。
ま、私が憤ってもどうしようもないのですが。


2回公演となると、前日はOKだったけど今日はNGだった…とか
もしくはその逆とか、いろいろございます。
その中でも最たる箇所といえばやはり…

義家の前に引き立てられてきた武衡でございましょう。

せめて後一日、と命乞いをする武衡を義家はにべもなく撥ねつけます。
後ろ手に縛られている武衡は惨めに転がるのですが、そのはずみで…
ありゃりゃ。

かぶってた烏帽子がとれちゃった(^^;

武衡さん、もう一度義家に縋る。
邪険に払われる…
烏帽子は落ちたまま…

武衡さん。どうしたか。

黙ってそのままにしとけばある意味リアルでよかった、かもしれない。
当時男性が人前で烏帽子や冠をとるというのは、現代でいうなら人前でパンツ脱がされるのと
同じくらいの恥辱だったそうですから、武衡の哀れさが滲み出た、かもしれない。
しかしそれは素人考え。というより武衡さん、
スサノオが考える以上に律儀なお方でした。

ゆるゆるにほどけてる縄を手首に残したまま
烏帽子を拾い、
そしてかぶり、
そして、
いつの間にか手は元通り後ろに回っており。


律儀だ。
律儀にもほどがある。

あれを律儀と言わないのなら、最早イリュージョニストと呼ぶしかあるまいて。


プログラムで確認しましたならば、何とまぁ県議会議員さんなのだそうな。
どおりで度胸満点(?)なはずです。


勿論市長さんもご出演してらっしゃいました。
どんな役かといいますとこれが…
エッチなお公家さん(笑)

お顔白ぉく塗って。
ちゃんとまろ眉描いて。
市議会議長さんと一緒に白鳥麗子ばりの(^o^*オホホホ笑い炸裂させてました。
貞衡の葬儀&真衡が夫婦養子を迎えるお祝いの宴に招かれたおエライさんなのですが
舞台上で何してたかといえば…
おねーちゃん追っかけまわして、終わり。
行政のトップたるお方にこんな役どころあてていーのかよ?と思ったのですけど


ご本人のたってのご希望だったようで…(;^^A


なんて人材豊富なんだ…(;^^A(;^^A


豊富といえば、去年の「銭形平次」でお見かけした方も何人か。
吉次役の方は確か下手人ぢゃなかったっけ?
でもって真衡役の方は銭形のライバルの岡っ引き…
ぢゃなかったかもしれない ^^;
すみません今回の真衡があまりにも強烈で過去記事消去されちゃいました、脳内から^^;^^;
最期の場面なんてホラーかと思うほど衝撃過ぎて ^^;^^;^^;
何せ原作をきれーに踏襲しているものですから怖かったのなんの。
昨日観て流れ知ってるのに新鮮な気持ちでビビッてしまっていました。
<単にスサノオがヘタレなだけという話ですが>

そういえば大河版の経清&貞任からお花届いてましたね。




今も交流あるんだ〜すごいな。


さて。

2時間半<途中15分の休憩※某所の混雑具合で伸びたりもする(笑)※あり>の上演。
その中でせんせーが登場なさるのは
なさるのは

ラスト10分ほど。


つまり。

スサノオは足かけ二日でせんせーの演技を20分くらいしか観ていない、と。


でもですね。
やはりそこは、さすがせんせーなのでございますよ。
清衡@大トリですから、何といっても。

圧巻でございました。


言われてみれば…というか言われるまでもなく
清衡が供養願文を読み上げる場面は原作にはありません。
実際せんせーも、もし炎が清衡のところで終わるならば付け加えてもいいと
考えていらしたのだそうで、つまりは入る予定なかった、ということでしょう。
その幻ともいうべき情景が、今こうして眼前に繰り広げられているかと思うと
何だか凄いことに遭遇してるんだという気が徐々に大きくなってきまして
しかも清衡と蓮光和尚の会話がまたむちゃくちゃ心にしみるやさしさで
ここまでこぎつけるためには相当の苦労があったはずなのに…いや
相当の苦労があったからこそのこの穏やかさなのだろうなと、感慨深いものがありました。

そして、やはり紙吹雪は降る。

盛岡文士劇「新撰組」のラストは真っ白でしたが
今回は落慶法要なので五色。
清衡はその中、今は他界の住人となった全ての知己に語りかけるように
願文を読んでゆきます。
後方、僧侶たちが経を唱え散華を行い、それに合わせてまるで天からの贈り物のように
紙吹雪が舞い下りる様は大変美しゅうございました。

にしても
蓮光和尚役の方、ハマってるよなぁ…
威厳があって、それでいて佇まい涼やかで。

パンフをまたも覗いてみます。



中尊寺執事


(○o○;) は?

(⊃o⊂) ゴシゴシ

(○o○;)


中 尊 寺 執 事


これはやはり
ちゅうそんじしつじ
と読むのか?




本職やんけ<これこれヾ(^^;>


反則でしょこれって…と心の中で叫んだのはここだけの話。
どおりで…(以下略)
ご本人のコメントも載っています。

「演じるか演じないか、それが問題だ」

問題というより最早事件です(笑)。


豪華だわ…



ロビーでは出演者・スタッフの方々が見送りをしてくださっています。
僧侶役の皆さんが華葩を配っていて、スサノオも無事ゲット。
一日一枚、二日で二枚。

あ。
引っ込んでしまわれない内にせんせーのお写真撮らせていただかなきゃ。
にこやかな笑顔で送客なさっているところへ近づきます。
「さすがに今日は帰るんだろな」
と呆れ顔なのには敢えて触れず、失礼ながら一枚パシャリ。




来年も楽しみにしています♪と話したところ

「○○○○○○○○○○」…

え〜?

え〜〜〜?

え〜〜〜〜〜?


聞いてしまってえがったのかダメだったのか。
いや良い悪いの話じゃない。


え゛〜〜〜〜〜?



どうしよう。
聞いちゃった。





建速素戔嗚拝